【以前の俳句会
】
令和5年8月の俳句会
一井 魁仙
直角に曲がる台風赤信号
植田 いく子
八月の記憶違いのような風
西島 晃彦
帆を下げてしばし一服秋の雲
田中 今日子
蝉の穴覗いて乳歯生え変わる
国藤 習水
森中が泡立っており蝉の鳴く
山本 敏倖
秋風や助詞の一字がひるがえる
渋谷 洋子
休載の頁の余白秋燕
新倉 村蛙
泥より生まれアスファルトへ落蝉
小林 薫
西瓜食ふ西瓜の形の口をして
田中 雅浩
白南風や不在の椅子を折りたたむ
山本 和子
恋すてふ香水の名はエゴイスト
秋庭 菊枝
ちちろ鳴き預金残高照会す
西島 信子
夏終わるまず口紅を終活す
宇田川 良子
讃美歌の色なき風に紛れ込む
西 洋子
魚跳ねて夕焼を遊ぶ太平洋
大場 美智子
乾きたる大地の呻き赤カンナ
加藤 絵里子
たっぷりと茂り村じゅう喪に服し
大槻 さらん
人類の最後のひとり終戦日
金澤 直子
秋の蝉左右に聞き分けランチカー
加藤 なほこ
盛り花や蔭なる家名盆の墓
横田 哲治
根釧の牧場の朝に夏炉燃ゆ
栗原 むつ子
耳鳴りに共鳴しているスイッチョン