【以前の俳句会
令和5年3月の俳句会
一井 魁仙 目と鼻と口ある素顔山笑ふ
二村 吉光 春うらら荷風を語る運転手
西島 晃彦 もう一度文具屋に寄り卒業す
大場 美智子 あたたかや読み止し本に暇をやる
大槻 さらん 耳打ちの「あのね」のあとは遠蛙
山本 和子 さまざまの色が戻って北の春
金澤 直子 菜の花忌四十三巻読むつもり
国藤 習水 寄り添うて留守番をするひいなかな
西島 信子 霾るやボヤですみたる火事ひとつ
田中 雅浩 軽々と生きられぬ世や野火走る
田中 今日子 人形の家に招かれ桃の花
渋谷 洋子 転んでも泣いても幼うららけし
小林 薫 水温む糸垂らす人と逃げる魚
栗原 むつ子 約束のさくら観に行く缶チューハイ
加藤 右馬 梅見してPASMO残額500円
横田 哲治 寒晴に野生馬たち風に立ち
加藤 なほこ 独身の散らかりし家雛祭り