【以前の俳句会
令和4年6月の俳句会
松井 國央 実梅落つ母の時代の音を立て
秋庭 菊枝 家を出た子の地球儀に夏帽子
一井 魁仙 父の日や後ろ姿の父知らず
山本 和子 国境が動いています蛍の夜
桜井 万希子 剥げかけた金剛力士夏木立
大槻 さらん ジプシーの傍系にいるかたつむり
田中 今日子 昼寝覚め子はウルトラの母を呼ぶ
田中 雅浩 心にも曲がり角あり夏至夕べ
新倉 村蛙 ほうたるに合わせて小さき息をせり
加藤 右馬 緑陰の縫ひ目ドリブルする少女
西島 信子 蟇動く想ひまとまりかけたのに
渋谷 洋子 水栓を抜けば右巻く太宰の忌
野口 昭子 かけちがうボタンの一つ梅雨寒し
小林 薫 あめんぼう駆けて水輪の残る朝
栗原 むつ子 山の上ホテルにて待つ月見草
西島 晃彦 スーパーに研師来る頃額の花
大場 美智子 てんとう虫草間彌生の奇想うむ
金澤 直子 ディゴ咲く運休中の水上バス
小林 賢司 紫陽花とぼんやりしてる新生児
国藤 習水 廃線の駅舎過ぎ行く青葉風
加藤 なほこ 父の日や安全地帯で次を待つ