【以前の俳句会】

令和４年３月の俳句会

松井　國央 リラ散るように弦楽のビブラート

山縣　總子 揺れ残る夜のぶらんこ欣子逝く

山本　和子 春曙足で物言う赤ん坊

桜井　万希子 春日差しとなりの席が空っぽ

秋葉　菊枝 麗らかや生産性の無いふたり

金澤　直子 花散るや吟行通知待ちながら

田中　今日子 STOP THE WAR 1年生に永久歯

大槻　さらん 春の闇人形を抱く戦禍の子

新倉　村蛙 マンモグラフィー磯巾着なら死んでいる

國藤　習水 退職の深き一礼春の雪

小林　賢司 春分に補助輪外す親子かな

田中　雅浩 靴べらのしなりぐあいや二月去る

西島　信子 曇天に活を入れたる目張の眼

西島　晃彦 キャッチボール土筆顔出す河川敷

みなまだ　けい 三月の鏡に入る女子生徒

栗原　むつ子 葱坊主頭揃えてくださいな

一井　魁仙 核の傘春雨ならば濡れてゆく

加藤　なほこ 感染や一人かも寝む木の芽雨

大場　美智子 徒桜明日は我が身と箸をおく

渋谷　洋子 春の野に放つこころとフリスビー

小林　薫 雨上がりほころぶ笑顔梅桃

野口　昭子 川の面にぐんと張り出し桜咲く

加藤　右馬 引鳥の十字架為して小さくなる