【以前の俳句会
令和3年10月の俳句会
松井 國央 死の話など少しして火の恋し
宮川 欣子 秋刀魚焼くきのうの嘘のあたたかし
田中 今日子 秋の夜や愛の縺れる洗濯
一井 魁仙 木犀に濃厚接触して無罪
山本 和子 カンナ燃ゆ思い出さずにいたいこと
西島 信子 秋雨やアリバイのなき昨日今日
加藤 右馬 カーテンの面積あまる秋灯
大槻 さらん 焙煎機廻る茶房の蔦もみじ
田中 雅浩 月明や指輪はずしたくすり指
野口 昭子 考える藤井聡太や秋の星
小林 賢司 一日が早いと感じるくりごはん
桜井 万希子 ブロンズの裸婦に木の実の体当たり
西島 晃彦 巻きついたナースコールや小鳥来る
小林 薫 蒼い帳月夜のインクで手紙書く
新倉 村蛙 山粧ふ朱のタクトを振りたれば
大場 美智子 愁ふ秋声明すっと座浄めけり
国藤 習水 TOKYOのルルドの泉秋日傘
渋谷 洋子 日透かせば芯に濁りやマスカット
山縣 總子 来し方の欠片を想う吾亦紅
金澤 直子 アクリル板の向こうの笑顔青蜜柑
加藤 なほこ 陽の匂い風のぬくもり山葡萄