【以前の俳句会
令和3年3月の俳句会
松井 国央 矢印の逆方向に鳥帰る
金澤 直子 春雷の導火線なる小さき嘘
大槻 さらん 片頬は紋白蝶に差し出しぬ
山縣 總子 鳥帰る小津映画にも少し厭き
西島 晃彦 下校時の列くずしけり春の泥
山本 和子 席ひとつコロナに譲る花見かな
田中 雅浩 春の雪伸びた輪ゴムの手紙束
秋庭 菊枝 春分の中途半端な解放感
加藤 右馬 讃美歌やステンドグラスつたう虻
一井 魁仙 黙食のテラス囀りのフルコース
栗原 むつ子 肉球の臭いの好きないぬふぐり
渋谷 洋子 桜咲く川にをんなの一つ吠ゆ
国藤 習水 頬寄せてスマホに納む卒業子
西島 信子 野遊びに四葉ばかりの悪しき夢
宮川 欣子 蕗味噌の味見にしては多すぎる
大場 美智子 くすくすと阿亀桜を眺め入り
加藤 なほこ 画面越し雄雛女雛も膨張す