【以前の俳句会】

平成２７年３月の俳句会

松井　国央 蝿生まる売りに出される牛後から

田中　雅浩 さびしさを平たく伸ばす日永かな

桜井　万希子 初蝶の標本箱を飛び立てり

西島　晃彦 ミシュランの星の数より桜餅

山本　和子 種袋振ってお上に物申す

小澤　吾子 ふと脱いだ素足の先に春動く

加藤　絵里子 ふらここの紛れ込んだる万華鏡

宮川　欣子 啓蟄のいたずら好きな円周率

加藤　なほこ たんぽぽの母はアメ横子はミラノ

一井　魁仙 春はまだ答を出さぬ基地の街

栗原　むつ子 啓蟄や接点の無い白昼夢

金澤　直子 蘖や地球の鼓動接ぎ木する

山県　總子 掛け声の了（おわ）るを待って虫出づる

国藤　習水 その秘密秘密のままに花馬酔木

坂本　京子 武器ですか遠に捨てたわ朧月

西島　信子 紅さしてアスパラガスに惑はさる

豊川　たかを 春一番まとって北陸新幹線

小竹　孝之 高砂を園児と謡うひな祭り