【以前の俳句会
平成24年12月の俳句会
松井 國央 我が中の他人に真冬の流れ星
西島 晃彦 象の耳ひだまりに揺れ十二月
桜井 万希子 一人だけ途中下車する枯野行き
山本 和子 葬儀屋の背中が伸びる寒さかな
森 由紀子 まる文字で徐行と書いてあり師走
西村 のぶを 老僧とお茶のいっぷく冬日和
田中 雅浩 すれちがふ人のぬくもり討入日
山崎 理子 葉を落とすと言う渾身ふつふつと
加藤 直子 賞味期限十二月八日皺深し
宮川 欣子 極月の分岐し合流しまざあぐうす
加藤 絵里子 楽園を最後に出でし浮寝鳥
西島 信子 みみずくの夜遊びしきり鬼子母神
豊川 たかを 行く水に読点を打つ十二月
鷲田 環 みな右に肩寄せあって去年今年
島崎 きく子 去年今年猫の餌皿に乾びしまま
藤原 優 冬の駅せんべい汁の旗なびく
栗原 むつ子 僧の掌の師走がこぼす饅頭かな
金澤 直子 円空像ざっくり笑みの日向ぼこ
山県 總子 銀杏散るちる勘三郎は中陰に
金谷 サダ子 駆け抜けて冬の雲から降る一票
吉田 慶子 芒揺れ弁慶の泣きどころ
樋口 俊男 目瞑りて凍蝶に念送りみる