【以前の俳句会】

平成２４年８月の俳句会

松井　国央 船長覗く真夏の現在地

桜井　万希子 鳴きながら自画像になる法師蝉

森　由紀子 天の川日比谷で降りし男かな

金谷　サダ子 整然と乱れて路地の奥涼し

山県　總子 短慮なりソフトクリームの先っちょは

加藤　絵里子 観覧車回る八月十五日

立野　悦子 ジャカルタの木陰で踊るチェスの駒

田中　雅浩 吊り革の揺れ止む深く長崎忌

山本　和子 八月の廊下置いてあるバケツ

山崎　理子 大西日じゃんけんしても隠れない

西島　晃彦 駆け落ちのひっそり暮らす糸瓜棚

西村　啓夫 悩みごと吹っ飛ぶ磯の土用波

加藤　直子 土用凪ポニーテールのこそばゆし

鷲田　環 河原なでしこ昭和も遠くなりました

宮川　欣子 八月十五日まだ見付からぬ捜し物

樋口　俊男 どの夏も子供はいっぱい精一杯

西島　信子 揮発してゆくもののあり新御霊

倉持　留美子 汲みおきの水の手に凍む今朝の秋

金澤　直子 みちのくや初穂の道をたどりつき

豊川　たかを 夕焼けに立ちて乾いた手が濡れる

国藤　習水 手のひらにチケット一枚遠花火

栗原　むつ子 血縁の薄きチャーシュー白冷麺

藤原　優 絵日傘やＵＶカットという数字