【以前の俳句会
平成23年9月の俳句会
松井 国央 ひと筆で九月の長い沖を描く
山本 敏倖 秋立ちて何かが石になる予感
山県 總子 愁思断つペテイナイフを研ぎに出し
藤原 優 ワイパーが景色を消して夏終る
栗原 睦子 正直に怒ってくれるかまぎっちょ
山本 和子 秋暑し女は群れて声濁る
山崎 理子 伸びしろを少し残して鰯雲
島崎 菊子 月赤し砂利採り川に鉄路果つ
豊川 たかを 鳳仙花とどかぬ明日に種飛ばす
桜井 万希子 目覚めれば絶滅危惧種秋の朝
国藤 習水 耳元で姦しかぎり残暑かな
加藤 直子 天の川最後の一歩ままならず
吉田 慶子 あなたとは違う希望スイカ喰う
近藤 斗升 二百十日段畑に人屈みおり
田中 浩一 鎮魂の花火激しくなお哀し
西島 晃彦 曼珠沙華まだ咲かないでいる不安
西島 信子 老親の下の始末や鰯雲
金澤 直子 街道を百年守る秋桜
宮川 欣子 十六夜に回転寿司は七皿目
加藤 絵里子 刻まれた数字面長震災日
立野 悦子 星月夜正義の裏の冷まじさ
西村 啓夫 蝉しぐれ家なつかしき里の色