【以前の俳句会
平成23年8月の俳句会
松井 国央 水漏れの続く八月十五日
宮川 欣子 肋骨の秋の気配を指できく
田中 浩一 生きるとは在り続けること蝉の殻
島崎 菊子 原色の錠剤を噛む熱帯夜
山県 總子 四コマは要らぬ休暇の果てにけり
立野 悦子 ゴーリキも本を捨てにしハンモック
山本 和子 父の分少し大きく西瓜切る
加藤 直子 鼻立ちの高き低きや大花火
西島 信子 あちこちに眼鏡忘れて夏終る
速水 真江 緑蔭の椅子一人去り一人来る
加藤 絵里子 月赤し減速始める上り線
豊川 たかを 素ッ裸の風に吹き込まれている不安
近藤 斗升 ヒマワリの迷路にありぬ敗戦日
桜井 万希子 月光に扉を開く理科室
藤原 優 スイカ喰う笑い皺二本あり
鈴木 幸枝 蝉は今生命の謳歌日暮れても
栗原 睦子 やわらかに眠れる君に茹でるソーメン
山崎 理子 あきらめぬ勝利の女神は撫子に
金澤 直子 甲子園負けずきらいの積乱雲
森 由紀子 少年と階段ダッシュする晩夏
西村 啓夫 曇り空樋に来て鳴く雨蛙
西島 晃彦 峰雲に吊られいるなり清洲橋