【以前の俳句会
平成23年6月の俳句会
松井 国央 菩提樹の花散る加速於大の暮
豊川 たかを 蟇鳴いて夜の淀みを深くする
西島 晃彦 六月の画廊に傘を忘れけり
森 由紀子 手相見の掌白し梅雨の月
栗原 睦子 さみしくて螢ぶくろは自爆する
山本 敏倖 さまざまな紐遊ばせて夏の蝶
宮川 欣子 ひねこびた石の蛙に水を打つ
金谷 サダ子 届きそうなバラへ余震が止まらない
山県 總子 揺れぐせの列島蟻の繋がりて
西村 啓夫 原爆忌万年筆のインク漏れ
桜井 万希子 地上絵や十進法で生きる蟻
田中 浩一 橋上の人より昏れる太宰の忌
加藤 絵里子 父の日や滑舌悪くなっていく
藤原 優 梅雨に入る得意技は腕立てふせ
山本 和子 青い薔薇同姓同名をかぎ分ける
鷲田 環 形代の明日を知らず海しらず
峯田 國江 梅雨晴間銀座出世地蔵尊
近藤 斗升 夜の爆音三日月齧るかたつむり
立野 悦子 殴りたし壁を貫く滝の音
村本 延子 復興の進まぬあせり暑きかな
山崎 理子 杷たわわ昭和レトロの十間堀
西島 信子 幼子のおらび笑ひて青葉嵐