【以前の俳句会
平成23年4月の俳句会
松井 国央 水平が漁夫に馴染んでおる卯月
桜井 万希子 角砂糖落とし春の闇揺らす
山本 和子 葉桜や同じベンチに人も来る
峯田 國江 踏ん切りのつかないままに散る桜
栗原 睦子 原発に紫雲英田一枚かけてやる
豊川 たかを さくら散る痛い処を庇いつつ
山県 總子 恋猫の戻るやピッツア届きたる
近藤 斗升 花は葉にどこで一線越えようか
金谷 サダ子 風のかたちに花散る女三人居て
山崎 理子 この度は緊張しました蓬餅
森 由紀子 こでまりに不協和音を悟られる
田中 浩一 弟子の背の志ん生鼻唄朧月
宮川 欣子 オルガンのもがく尻尾の啄木忌
鷲田 環 かたかごのここにもあった活断層
西島 信子 畑より怪見つめおり豆の花
奥山 博子 被災地に桜前線届きけり
村本 延子 犬ふぐり明るくなりし路地を行く
藤原 優 地震あり警告音に桜散る
吉田 慶子 この音と次の音が寧猛春の闇
金澤 直子 裂けし道すみれ一株屹立す
立野 悦子 ブランコに靴を忘れし深き海
西島 晃彦 本棚に父の句集や遠蛙
高野 信子 朧月残りし花も僅かなり
西村 啓夫 辻地蔵老婆が払う肩の雪