【以前の俳句会
平成23年2月の俳句会
松井 国央 春潮の礼儀正しく来て眠い
後藤 宣代 みんな知っていて薄氷踏んでゆく
桜井 万希子 地べたには地べたの匂ひ春祭り
金谷 サダ子 滅びゆくもの引きよせて梅ほつほつ
西島 信子 凍て月を粉々にして野湯に入る
宮川 欣子 春寒し包みボタンの留めにくさ
山県 總子 待春や魚図鑑の青やあい
吉田 慶子 初雪や前者と後者は等しい
栗原 睦子 たんぽぽの音符を描いているところ
森 由紀子 深呼吸しすぎて梅遠ざかる
近藤 斗升 下町に傾く(かぶく)江戸文学いかのぼり
加藤 絵里子 寒椿ラジオの音が漏れ聞こえ
豊川 たかを 鳥の群れ空の浅瀬に春動く
島崎 菊子 乳液の瓶たおれて復活祭の夜
山崎 理子 議事堂を狙って欲しや春の雷
藤原 優 交差点蔓延しているマスクかな
国藤 習水 何処からか此処にいますと沈丁花
山本 和子 海底に鯨はうたう雪の果て
西島 晃彦 約束のような青空春を待つ