【以前の俳句会
平成22年10月の俳句会
松井 国央 秋日傘すっかり女出来上がる
吉田 慶子 赤まんま勝手口から入る客
栗原 睦子 コスモスと同じ息する犬といる
豊川 たかを 南東に向いて歯並びのよい石榴
島崎 菊子 繊月のかけら集めて爪を研ぎ
山本 和子 射抜かれて頭上の林檎甘くなる
山県 總子 厄介と入口同じ茸山
桜井 万希子 削除したメールが泳ぐ天の川
後藤 宣代 魔のさしてつい実石榴に倚りかかる
立野 悦子 坂下る背に重すぎる満月を
峯田 國江 嫌われる勇気持てた日銀杏の実
森 由紀子 鱗雲ことばにしてもしなくても
西島 晃彦 歯磨きのチューブ曲がりて秋深し
宮川 欣子 ピノキオの鼻高々とそぞろ寒
藤原 優 秋の風美術館へつきあたる
西島 信子 父逝きてジンタ流るる秋の空
国藤 習水 枯葉散りだんだん空の広さ増す
山崎 理子 芋炊きやフランス料理は絵空事
西村 啓夫 秋天に蔓が渡らんとしつつあり
金谷 サダ子 林立の影が炎となる秋よ
鷲田 環 終わりが始め上弦の月追って